COLUMNコラム

困った害虫の対処方法

2018.09.06

観葉植物を育てているオフィスからよく問い合わせがある害虫に困っているという相談。本来リラックスできるはずの観葉植物がストレスの原因になってしまい困ってしまいますよね。良く問い合わせを頂く害虫の対処法についてご紹介します。薬剤はホームセンターや園芸ショップ、インターネットで購入することができます。

 

コバエ

<特徴・症状>

観葉植物に発生するコバエは、「キノコバエ」という種類で、台所や排水溝などから発生するショウジョウバエとは違う種類になります。ドラッグストアなどで販売されているコバエ取りは台所やトイレを使用場所に想定しており、キノコバエに効く観葉植物用とは異なりますのでご注意ください。キノコバエは、暗く湿った植物や、有機物の多い土を好みます。土の表面から2~3cmのところに卵を産み付け、20℃で羽化、2~3日でまた産卵して60〜80個の卵を産みます。卵期間は3〜4日で幼虫期間は15〜20日。成虫の寿命が4〜10日程度と短い寿命の中で産卵のサイクルが早いため、発生するとどんどん増えてしまいます。植物の土の周りやオフィスの中を飛び回ります。購入した植木を室内に置いた際、室温の変化で発生することもあります。

<薬剤以外の対策>

・土の表面を2~3cm削り、風通しの良い場所へ移動させる

・土が乾かないうちに水遣りをしているようなら一度土を乾かす。・新しい土と入れ替える

<薬剤対処>

・ダントツ粒剤(水に薄めて使うタイプ、匂いが少なめでおすすめ)

・オルトラン粒剤(水に薄めて使うタイプ、独特のにおいがある、苦手な人もいる、十分に換気しで少量から使用してください。)

 

カイガラムシ

白いホコリのようなふわふわしたものに覆われている植物につく害虫です。葉から汁液し葉色が悪くなったり、排泄物はすす病の原因になります。風に乗って移動し、他の種類のカイガラムシと違い歩行もできる。死がいから幼虫が出ることもあるのでしっかり除去することが大切になります。一度発生するとなかなか全てを退治することは難しいですが、継続的に対処することで減っていきます。身体のまわりが茶色い硬いカラに覆われたタイプもいます。

<薬剤以外の対策>

・ハブラシでこそぎ取る(面倒ですがこれが一番効果的です)

・木酢液をかける(効果が短いため数日おきにかける)

・外に出せる場合はシャワーなど水圧で落とす

<薬剤処理>

※体の周りを白い埃のようなロウで囲まれているため薬剤が効きにくい害虫ではありますが、継続して使うことで徐々に退治できます。

・ダントツ粒剤(水に薄めて使うタイプ、匂いが少なめでおすすめ)

・エアゾール(スプレー缶タイプ、独特のにおいがある、苦手な人もいる、十分に換気しで少量から使用してください。)

・ボルン(スプレー缶タイプ、独特のにおいがある、苦手な人もいる、十分に換気しで少量から使用してください。)

・オルトラン粒剤(水に薄めて使うタイプ、独特のにおいがある、苦手な人もいる、十分に換気しで少量から使用してください。)

 

ハダニ

<特徴・症状>

植物の葉につき汁を吸うクモの仲間です。空気が乾燥すると発生しやすく、植物のほとんどで発生する可能性が高い害虫です。ハダニ自体は小さく、ハダニが発生すると葉がクモの巣で包まれたような見た目になり、葉裏がザラザラとしたり、薄黄色くなったりすることでわかります。

<薬剤以外の対策>

・継続的に霧吹きをしてタオルでよく拭く(ハダニは水が嫌い)

・(ベランダなどに出せるなら)シャワーをかけて洗い流す

・混み合っている箇所を剪定して風通しを良くする

<薬剤処理>

※濡れタオルで葉の表裏を良く拭き取ったが効果的です。

、・ベニカX(液体のスプレータイプ、多少匂いがします)

・キンチョール(十分に換気をしてください)

 

アブラムシ

見たことがある人も多いと思いますが、新芽につきやすく群れで葉を食べます。排泄物が蟻を呼び寄せたり、すす病の原因になります。テントウムシが天敵。

<薬剤以外の対処>

・濡れタオルなどでふき取る

・シャワーで洗い流す

<薬剤処理>

※アブラムシを拭き取ってから使うと効果的です。

・ベニカ(液体のスプレータイプ)

・ダントツ粒剤(水に薄めて使うタイプ、匂いが少なめでおすすめ)

・オルトラン粒剤(水に薄めて使うタイプ、独特のにおいがある、苦手な人もいる、十分に換気しで少量から使用してください。)

 

その他アリ、ナメクジ、ゴキブリなど

・アリ

購入した植木を室内に置いた際、室温の変化で土からアリが出てくる場合があります。薬剤以外の対処法は、バケツに水を張り1~2時間鉢ごと水につけて窒息させる。薬剤を使う際は、アリアトール(パウダー状)などアリ専用の薬剤を使ってください。即効性もありますが、時間差で土の中から逃げ出すアリが出てきますので、外で処理することをお勧めします。

・ナメクジ

土や鉢底などじめじめしたところに発生しやすいです。卵を産み付ける冬から春のあと梅雨の時期に現れます。薬剤以外の対処法は、アリ同様バケツに水を張り1~2時間鉢ごと水につけて窒息させる。薬剤を使う際は、ナメトール(粒剤)など専用の薬剤を使用してください。

・ゴキブリ

植木から発生することは少ないと思いますが、暗く湿った場所に隠れることが多いので、壁や角に植木をくっつけ過ぎない、風通しを良くするなどゴキブリを呼び寄せないような対策が出来ます。水遣りの際も鉢カバーに水が溜まっていないかなど内部の環境を清潔に保つようにしてください。

 

薬剤使用の注意

観葉植物の薬剤はホームセンターなどで販売しており、農薬の扱いになりますので使用は基本的に屋外になります。室内で使うことは推奨していませんが、始めて使う際は広い部屋で十分に換気をする、人が密集している場所では使用しないなど十分に配慮してください。

 

一度発生するとなかなかすぐには退治できない害虫。普段から葉の埃を取り除いたり、霧吹きをしたりすることで予防できるものもあります。発生してからは根気よく退治し続けることで植物の状態も改善できますので諦めずに対処法を試してみてください。