COLUMNコラム

長期休み明けの植木の管理

2018.08.15

ご自宅やオフィスの植木を長期休暇中に枯らしてしまったという経験はありませんか。空調が止まり締め切った環境が長期間続くと植木がぐったりとしてしまうことがあります。植木も元気な状態で休み明けに会いたいものです。その対処法とお休み明けのチェックポイントについてご紹介します。

まず植木の性質を知りましょう

私たちが生活の中で見かける多くの観葉植物は、室内でも楽しめるようにより暗さに強いもの、より寒さに強いもの、より大きな/小さなものなど品種改良された園芸品種がほとんどです。室内で楽しめるように性質を改良しているため、原産地のどこかのジャングルでは大きく元気に育っているのに、自宅のベランダに出したら枯れてしまったということがおきてしまうのです。

ただ、暗さに強い・寒さに強い性質があると言っても、窓のない部屋や日本の冬に耐えられるような強さはありません。観葉植物は光合成をして生長していきます。それが全くできない環境が長く続くと生命活動ができないということになりますので弱ってしまう・枯れてしまうということがおきてしまうのです。また、植物は環境の変化に敏感に反応します。光の量、室温、水の量に合わせて生命活動を自分で調整する力を持っていますので、いつもより部屋が暗い状態が続けば、無駄なエネルギーを使わないように葉を落としたり、水を吸わなくなったりします。

そのような植物の働きを説明するのに「モヤシ」を思い出していただきたいです。実はモヤシは植物の名前ではなく、植物の種が光のない真っ暗な場所で、十分な水を与えられて発芽し、生長するとモヤシになるのです。大豆の種でも稲や麦の種でもそのように育てたものはモヤシと呼ばれるのです。モヤシは真っ暗な場所で生長しますので、上に光があると思ってひょろひょろとどんどん伸びていきます。さらに光がありませんので光合成をせず緑の色素も作らないため白い姿をしています。これは、日光が足りていない観葉植物の様子にも似ていると思いませんか。

長期の休み前にできること

長期休暇中に真っ暗になる部屋があれば、できるだけ直射日光でない日光の入る明るい場所に植木を移動することができると安心です。また、種類によっては普段の水やりに加えて、水を溜めておかないと水切れしてしまう場合があります。

<ある程度暗さに耐えられる種類>

日光があったほうが良いですが、環境の変化に強い植物たちです。葉の変色は見られるかもしれません。

・ポトス・セローム・レギネ・ジャマイカ・パキラ・マッサン・モンステラ・ユッカ・シュロチク・ツピタンサスなど

<暗さが続くと変色や葉落ちする可能性がある種類>

もともと暗さにそこまで強くない種類です。暗さや蒸れにより葉落ちする場合が多いです。

・ウンベラータ・ベンガレンシス・フランスゴムの木・ガジュマルの木・ベンジャミン・ゲッキツ・アルテシマ・インディア。カポックなど

<水切れが心配な植物>

水遣り頻度の高い植物で、お皿に水をはっておくか自動給水を利用すると安心です。さらに明るい場所の方が良いです。

・アレカヤシ・シュロチク・アマゾンオリーブ・シーグレープ・クロトン・スパティフィラムなど。

<移動が簡単な小鉢類>

休み前に水をあげて窓際に集めてあげましょう。多肉植物などは暗い場所ではひょろひょろに伸びて弱ってしまうことがありますのでご注意ください。

長期休み明けのチェックポイント

いよいよ休み明け。締め切った部屋の空気を入れ替え植木の点検をしましょう。弱光の環境が長く続いていると葉の変色や葉落ちが見られるかもしれません。暗い場所では水はあまり吸わないですが、休み中の室温によっては土がカラカラになってしまっている植物があるかもしれません。

・土がカラカラで葉がくったりしているが、葉落ちはしていない状態であれば水切れの症状ですので水やりにより復活する可能性があります。鉢底から水が出るまで水を与え、1~2時間後に葉がピンと戻っていれば通常通りのお世話を再開しましょう。

・土がカラカラで葉落ちしているが全部は落ちていないときは、植物を振って落ちる葉を全部落とし、水やりをしてください。新芽や若い葉が残っていればそれを育てることはできます。樹形が休み前とは変わっていて悲しいかもしれませんが、株がまだ生きていれば春や夏の場合は切り戻しをして再生できますのでチャレンジしてみましょう。

・土が湿っているが多くの葉が変色している場合は、残念ながら変色した葉は元には戻りません。明るい場所に移動させて新しい葉を育てていきましょう。

・土が湿っていて葉落ちしている植物は水は追加で与えず、変色がひどい葉は取り除きます。明るい場所に移動させて新しい葉を育てていきましょう。樹形が気になるようなら切り戻すなどして再生できる場合があります。

植物の生命力

植物は自然界で生き抜いていくために動けない分、自分でエネルギーを作り再生できる力があります。葉がたくさん落ちても挿し木をしたり、切り戻したりすることで見た目は寂しくなりますが育てて行くことはできます。植物の性質を知ることで長く可愛がってあげることができますので、わからないことがあればお気軽にお問い合わせください。