COLUMNコラム

花瓶で育てられるグリーン

2018.08.27

アレンジメントや花束に使われているグリーンや、剪定した観葉植物を水に挿しておくと、新しく根が出て植物を殖やすことが出来ます。これは「挿し木」という植物の殖やし方の方法の一つで、最も一般的な方法です。今日は挿し木で根が出やすい植物を紹介します。卓上の小さなスペースでもできますので、小さなグリーンを置きたい方にもおすすめです。梅雨~秋にかけてが挿し木のおすすめ時期です。

アイビー

アイビーはツタの仲間で、ヘデラという学名がついています。園芸店や街の花壇でもよく見かける丈夫な性質な植物です。白や黄色の斑(ふ)と呼ばれる模様が入っていたり、様々な形があったりと多くの種類が出回っています。鉢植えから剪定したアイビーでも、アレンジメントや花束に入っていたアイビーでも葉がピンと元気であれば発根させることが出来ます。

 

<アイビーの殖やし方>

鉢植えから剪定する場合は、長めにカットし、水につかる部分の葉は取り除いておきます。

アレンジメントや花束に入っていたものを殖やす場合は、下から1~2cmの部分を斜めにカットして切り口を新しくしてあげます。こうすることで、水を吸いやすくなります。また、剪定したものと同様に、水につかる部分の葉があれば取り除いておきます。

あとは、花瓶や空き瓶などに水をため挿しておきます。水を清潔に保つために、1~2日おきに水を取り替えてあげると良いです。

 

 

 

 

 

 

 

コルジリネ・ターミナリス・ヒロバ

ドラセナ

園芸上ではドラセナの種類に似ているためヒロバドラセナと呼ばれる植物で、明るい葉色の葉がボリューム良くついているので見栄えがします。挿し木で増やす場合は、葉の付け根ではなく、茎から切り取る必要があります。

 

<ヒロバの殖やし方>

切り花の場合はそのまま茎を切り戻し、下の葉を数枚とっておきます。

鉢植えから切り取る場合は、幹から出ている茎を根元から剪定してあげましょう。

葉が多くついている場合は、下の葉を取り、さらに上部の葉を半分切っておくと蒸散量を抑えられ、発根しやすくなります。

花瓶に挿した後は水の取り換えも忘れずに行いましょう。

 

 

 

ドラセナサンデリアーナ

サンデリアーナ

ドラセナの仲間は挿し木で増やせるものがほとんどで、再生力が高く比較的チャレンジしやすい種類になります。学名のドラセナ・サンデリアーナより、ミリオンバンブーという名前のほうが聞きなじみがあるかもしれません。「長寿」「開運」「幸福」などの花言葉を持っている縁起の良い植物です。

 

<サンデリアーナの殖やし方>

前項のヒロバと同じ手順で増やすことが出来ます。

切り花の場合はそのまま茎を切り戻し、下の葉を数枚とっておきます。鉢植えから切り取る場合は、幹から出ている茎を根元から剪定してあげましょう。

葉が多くついている場合は、下の葉を取り、さらに上部の葉を半分切っておくと蒸散量を抑えられ、発根しやすくなります。

花瓶に挿した後は水の取り換えも忘れずに行いましょう。丈夫で生長が早いので鉢植えの伸びすぎた茎から増やして育てやすい種類です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンセベリア

鉢植えで出回っているサンセベリアは、NASA認定のエコプランツにも選定されており、マイナスイオンを出すことで注目された植物です。多肉質で水やり頻度が少なくすむため、育てやすさも人気です。サンセベリアは鉢内が根がいっぱいになったら、株分けする方法でも増やすことが出来ますが、裁断した葉から増やすこともできます。根元が腐ってしまって、上部はまだ葉がしっかりしている場合に挿し木すると再生させることが出来ます。

 

<殖やし方>

元気な葉を10cm程にカットして、上下を間違わないように、下部が1/3程度水につかるように水に挿します。

時期にもよりますが、1~2か月で根と子株が出てきますので、そのあとに土に植え替えてあげると良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

フィカスウンベラータ

ウンベラータはフィカス(ゴムノキの仲間)の中でもハート形の葉と見た目の優しい雰囲気が人気の植物です。生命力が強く、樹形が乱れてきたら剪定し、また脇芽を出して育てることが出来ます。剪定して切り取った枝も水に挿して育てることが出来ます。

<ウンベラータの殖やし方>

剪定した枝から白い樹液が出るので充分に洗い流しします。

新芽と若い葉が出ているところを選ぶと育てやすいでしょう。

大きな葉がついている場合は新芽と若い葉1~2枚を残して取り除いてください。

あとは水を変えながら根が出るのを待ちます。

 

 

ちょっとひと手間 成功率を上げるには

そのままきれいな水につけておくだけでも根は出てきますが、成功率を上げるには、栄養剤を薄めて水に入れてやると発根を促進することが出来ます。弱った根に必要な鉄分が吸収されやすい「ネメデール」という活力剤を使うのもおすすめです。また、切り離された植物も光合成をすることで成長しますので、葉は1枚は残すようにしてください。ただ、最初は根がありませんので、水の吸水率が悪くなります。そこに大きな葉がついていると蒸散ばかりしてしまい、弱ってしまうので、大きな葉は半分にカットして蒸散量を抑えてバランスを保ちます。

 

おわりに

根が出た後は、そのまま水差しで育てることもできますが、充実した株にしたい場合はやはり鉢に植え替えてあげると長く楽しむことが出来ます。

今回ご紹介した植物以外にもパキラやマッサンなどオフィスで良く見かける植物も挿し木で殖やすことはできます。

デスクにちょっと緑が欲しい方も鉢植えを置くより簡単に出来ますのでおすすめです!